半導体というと、真っ先にAIを思い浮かべる人は多いだろう。
生成AIの普及によってGPUが注目を集め、「半導体=AI」というイメージが定着しつつある。
しかし実際には、半導体の将来性はAIだけでは語れない。
これから大きく成長すると考えられている産業を見渡すと、そのほとんどで半導体が重要な役割を担っているのである。
AIだけではない。成長分野の共通点
例えば、今後成長が期待されている分野には次のようなものがある。
- EV・自動運転
- ロボット
- エネルギーインフラ
- 医療機器
- 宇宙産業
- スマートファクトリー
- スマートシティ
一見すると、それぞれ全く違う産業に見える。
自動車を作る会社と医療機器メーカーでは事業内容も異なるし、宇宙産業とエネルギー産業にも共通点は少ないように思える。
それでも、これらの産業には一つだけ共通するものがある。
それが「半導体」である。
なぜどの産業でも半導体が必要なのか
理由はシンプルだ。
現代の機械は、どの分野でも「電子で認識し、電子で判断し、電子で制御する」ようになっているからである。
例えば自動車は、カメラやレーダーで周囲を認識し、コンピュータが状況を判断し、アクセルやブレーキを制御する。
ロボットはセンサーで周囲を把握し、AIが判断し、モーターを動かす。
医療機器は生体情報を取得し、それを解析して診断や治療を支援する。
発電設備では電力を効率よく変換し、送電を最適化する。
用途は違っても、「認識する」「判断する」「制御する」という基本構造は共通している。
そして、そのすべてを支えているのが半導体なのである。
情報だけでなく、電力も支える
半導体というとCPUやGPUのような情報処理用チップを思い浮かべる人が多い。
しかし、これからさらに重要になるのがパワー半導体である。
EVのモーター、急速充電器、太陽光発電、蓄電池、データセンター。
これらでは、大量の電力を効率よく変換・制御する技術が欠かせない。
つまり半導体は、「情報」を処理するだけでなく、「電力」も制御しているのである。
デジタル化だけでなく、電動化が進む社会でも、その重要性はますます高まっていく。
半導体産業は「未来の産業」に投資している
半導体産業が成長すると言われる理由は、AI市場だけが拡大するからではない。
AI、自動車、ロボット、エネルギー、医療、宇宙──。
未来の成長産業が増えれば増えるほど、それらを支える半導体の需要も増えていく。
つまり半導体産業は、一つの市場に依存している産業ではない。
未来の成長産業すべてを下支えする「共通基盤」に投資している産業なのである。
おわりに
道路が物流を支え、電力網が社会を支えるように、半導体はデジタル社会の共通インフラになりつつある。
だからこそ、AIブームが落ち着いたとしても半導体の重要性が失われるわけではない。
AI、自動運転、ロボット、宇宙開発、次世代エネルギー──。
これから社会を変えていく産業の多くは、半導体という土台の上に築かれていくのである。
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