半導体って何だろう? 電気が「情報」になる仕組み

テクノロジー

「半導体不足」や「半導体産業」という言葉を耳にする機会が増えた。

スマートフォンやパソコン、自動車など、現代の電子機器に欠かせない存在だということは、多くの人が知っているだろう。

でも、「半導体って何?」と聞かれると、「電気を流したり止めたりするもの」という説明くらいしか思い浮かばないかもしれない。

確かにその説明は間違ってはいない。

しかし、それだけでは「なぜ半導体がこれほど重要なのか」は見えてこない。

半導体を理解するには、まず「電気が流れる」とはどういうことなのかから考えてみよう。

電気はなぜ流れるのか

電気は、電位差(電圧)があることで流れる。

乾電池のプラス極とマイナス極を導線でつなぐと電流が流れ、電球が光るのはそのためだ。

電流は電子が動く向きの逆向きに流れる。

つまり、電位差は電子を動かそうとする力だと言える。

ここだけを見ると、「電位差さえあれば電子機器は動くのでは?」と思うかもしれない。

しかし、実際にはそれだけでは足りない。

電気は流れるだけでは情報にならない

もし導線しかない世界なら、電位差がある限り電気は流れ続ける。

それでは、文字を表示したり、写真を保存したり、計算したりすることはできない。

電子機器が扱っているのは、単なる電気ではなく「情報」だからだ。

情報を扱うには、

「ここには流す」

「ここでは止める」

「次はこちらへ流す」

というように、電子の流れを細かく制御しなければならない。

つまり必要なのは、電気そのものではなく、「電気を思い通りに制御する仕組み」なのである。

半導体は電子の通り道を作ったり消したりする

ここで登場するのが半導体だ。

半導体は、電子の通り道を作ったり消したりできる装置である。

普通の金属なら、電位差があれば電流は流れる。

しかし半導体では、電位差があっても電子の通り道がなければ電流は流れない。

逆に、電子の通り道を作れば電流は流れる。

つまり、

  • 電位差は電子を動かそうとする力
  • 半導体は電子が通る道を作ったり消したりする装置

という、それぞれ異なる役割を持っているのである。

トランジスタという小さなスイッチ

半導体を利用して作られる代表的な部品が「トランジスタ」だ。

トランジスタは、小さな電圧を利用して電子の通り道を作ったり消したりできる。

水道で例えるなら、

水圧は十分にある。

それでも蛇口が閉まっていれば水は流れない。

蛇口を開けば水が流れ始める。

トランジスタも同じように、電子の流れを自由にON・OFFできる超小型のスイッチなのである。

ONとOFFが情報になる

コンピューターは、すべての情報を0と1で表現している。

トランジスタでは、

  • 電流が流れる(ON)
  • 電流が流れない(OFF)

という二つの状態を作れる。

この二つの状態を、それぞれ1と0として利用することで、文字や画像、音楽など、あらゆる情報を扱えるようになる。

一つのトランジスタは単純なスイッチに過ぎない。

しかし、その小さなスイッチを何十億個も組み合わせることで、複雑な計算や記憶が可能になる。

計算にも記憶にも半導体が使われる

半導体は計算だけに使われるわけではない。

例えばメモリでは、コンデンサに電気をためることで1ビットの情報を記録する。

そして、その電気を出し入れする役割を担っているのもトランジスタだ。

つまり、

計算するときも、

情報を記憶するときも、

その根本では半導体が電子の流れを制御している。

電子機器のさまざまな機能は違って見えても、その土台には共通して「電子を制御する」という仕組みがあるのである。

半導体とは何なのか

「半導体」という名前からは、「導体と絶縁体の中間の性質を持つ材料」というイメージを抱きやすい。

もちろん、それは半導体の特徴の一つだ。

しかし、本当に重要なのは、その性質によって電子の流れを自在に制御できることである。

電気は本来、流れるか流れないかという自然現象に過ぎない。

半導体は、その流れを必要な場所で生み出し、必要な場所で止めることで、電気を「情報」として扱えるようにした。

私たちが普段使っている電子機器は、目には見えない電子の流れを、膨大な数の半導体が絶えず制御することで動いている。

半導体とは、電気を情報へと変え、現代のデジタル社会を支える土台となる技術なのである。

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